第18章 金を盗む常習犯

工藤達央は、有村雄也の陰った顔を見た瞬間に察した。――このクソ野郎、また碌でもないことを企んでやがる。

前回は有村父の顔を立ててやった。命までは取らず、痛い目を見せる程度に殴って、外傷だけで済ませた。

だが今回は違う。

有村雄也がまた絡んでくるなら、達央はもう手加減しない。

達央は咲子を連れ、ロイヤルホテルの正面玄関へとまっすぐ歩いていった。

そのとき、スマホが鳴る。

小山茜からだった。

「社長、咲子がいなくなりました」

受話口の向こうの声は焦っている。

「咲子は、この病気が広まり始めた頃に発症した子です。あの子を見失ったら、面倒なことになります」

「心配するな。いなくな...

ログインして続きを読む